●ロービジョン川柳のコーナー

 ロービジョンとは、低視力、見えにくい状態のことです。厳密には全く見えていない人は含まないのかも知れませんが、ここでは全盲の人も含めた視覚障害者がよんだ川柳をご紹介します。同じロービジョンの方には「そういうこと、あるある!」と共感し笑っていただけることうけあいです。また、晴眼の方々には、見えにくいってこういうことなんだと、視覚障害者を理解していただける一助になればと願っています。私も川柳詠んでみました。という方は 連絡フォームから是非ご投稿下さい。
 2024年から会報誌に掲載された川柳・俳句・短歌を掲載しています。

■2025年作品

●会報115号から(2025年 5月発行)

【横浜市】 ジョージ カスミーメ
高齢者専科
1) 寄る年波 別腹小腹 もう昔
解説:食べる楽しみが減るばかりデス。
2) マスク族 感染防止 手放せず
解説:コロナ、インフル等の感染症はごめんです。
3) 難聴でも うるさい事は 敏感に
解説:テレビ、ラジオ等の音が最近うるさく感じられます。
4) お小遣い 使い道無し 余る今
解説:大した金額ではないが、物に執着することがなくなりました。
5) 筋トレだ 長生きしよう 御同輩
解説:長生き目指して頑張りましょう。

【横浜市】 吉川 弘
1) トランプは ロシアのスパイ ウソ?ホント
解説:このニュースをみてマサカではなく、モシカシテと思ったのは私だけでしょうか?ちょっとヤバイ話ですね。
2) 不治の病 まだカネカネの 自民党
解説:普通に稼ぎ、普通に使うことが出来ない議員たち。難病指定だ!
3) 春急に 昨日来たのに 今日は雪
解説:明日、夏が来ても驚かないですね。
4) 暗い道 さ迷う白杖 天使来る
解説:飲み会の帰り、迷うはずもないバス停から自宅の途中で迷子に。
迷路となった住宅街を歩き回る私に声をかけ、自宅まで送ってくれた天使は、若くて美人の介護支援専門員さんだった。白杖を使い出して2年ほど。いろいろな天使に助けられてきました。天使の皆さんに感謝です。
5) 曇りガラス 取れて明日が 少し見え
解説:2月下旬に白内障の手術をして、目の中の曇りが取れ、文字が読みやすくなったり、明日が明るくなったりしました。

【横浜市】 RP80号
1) スマホ替え 請求書来て 腰抜かす
解説:安くなるという説明で契約、2ヶ月後に届いた高額請求書に妻はパニックでした。結局、娘が契約解除をして収まりましたが、それ以来老夫婦は、娘の前で小さくなっています。トホホ

【小田原市】 ちーちゃん(患者家族)
1) 太るかな 気にするおじさん かわいいな
解説:インド系のカレー屋で2枚目のナンを食べながら気にするこの一言、可愛い!
2) 鼻水に クシャミ連発 目のかゆみ
3) ゴムズボン 太ったことに 気づかない
解説:ウェストがゴムのズボンは注意です。
4) 行列の 屋台並んで やっと食べ
解説:お祭りの屋台はどこも長い行列。30分並んで3分で食べた、と言う人が。 

●会報114号から(2025年 2月発行)

●川柳
【横浜市】 清水 秀雄
1)しつこいぞ 秋に譲れよ 猛暑君
解説:もう暑いのは沢山だ。涼しい風が懐かしいです。
2)宙に舞う 番長の眼に 星キラリ
解説:DeNAベイスターズ日本シリーズ制覇。番長(三浦監督)の眼に涙。
3)暑過ぎて 事件続発 地球病む
解説:地球の異常が人にも感染しているのでしょうか。
4)短くても モミジにはしゃぐ 日本人
解説:遅くても、短くても、葉が色づけば大騒ぎ。インバウンドまで一緒にはしゃいでいます。
5)ジングルベル もうそんな時期 鳥のモモ
解説:時が経つのは早いものです。クリスマスは鳥のモモをいただいてすごします。ワインもチョッピリ。

【横浜市】 吉川 弘
1)トランプと 習とプーチン ああ地球
2)ちーちゃん家 仲の良いこと 屁―会話
解説:前号のちーちゃんの句から。
3)いい男 死ねば世界に 泣く女
解説:前号の深水さんの句をヒントに。もてない系のタンマ君ならグヤジィーと地団駄を踏むところです。
4)友逝って 若き日思い 一人酒
5)見えるうち 何を見ておく 何をする
解説:まだ見えると油断していたら、あれが見えない、これが見えづらいと病は進んでいました。不覚でした!

【小田原市】 ちーちゃん(患者家族)
1)秋深し 犬も歩けば 腹が減る

【横浜市】 深水 晴海
1)ペアSuica 同行援護 事始め
解説:ガイドヘルパーさんを頼むことになったので、準備として用意しました。
2)母のごと 同行援護 甘えきる
解説:ガイドヘルパーさんを母親のように甘えています。
3)ハイキング 訓盲院は 丘の上
解説:訓練センターは丘の上にあるので、ハイキング気分で通っています。
4)名優は 地上の星から 天の星
解説:西田敏行さんは、地上でも輝いていましたが、天に昇っても輝いているのでしょう。
5)ハマちゃんの 釣果はいかに 天の川

●短歌
【横須賀市】 眞田 京子
1) 台風の 異常気象の 大嵐
         稲光する 雷雨恐ろし
2) 夜の明けし 東(ひんがし)の空 白々と
         吹く風寒し 重ね着をする
3) 早朝に 我が駐車場 餌求め
         猿の出没 放浪の旅
4) 鉢植えの 赤き色づき 唐辛子
         ヒヨドリ来ては つつき散りぼう
5) 半月も シャワーを使えず その昔
         五右衛門風呂は 懐かしきかな




2024年へ 2023年へ 2022年へ 2021年へ2020年へ2019年へ 2018年へ 2017年へ